2016/02/25YouFab2016、受賞作展覧会!

-youfab.jpg

FabCafe Global Networkが主催するCreative Award「YouFab Global Creative Awards」の2016作品展示が3月8日から渋谷ヒカリエ8階で開催されます。福田はこのアワードのチェアマン。アワード設計を通じて世界のFabrication文脈の今を学習すると同時に、デジタルな流れの先にあるものを見ようとしています。

今年は、日本のFab文脈をつくってきた慶応の田中浩也教授に審査委員長をお願いし、コンセプトおよびカテゴリー設計から再検討してきました。世界の流れをリードしてきた先生ならではの大きな視座は、このアワードをまたさらに面白いものにしてくれたのでした。今年のアワードの考え方文章を引用します。
ーーー
予想を超える速度で進化しているデジタルテクノロジーは、バーチャルな領域とリアルな領域の境を曖昧にし、ものづくりの世界をも大きく拡大し始めています。それは「ビットとアトム」、「データとモノ」、「サイエンスとクリエイティブ」、「理系と文系」、「既存領域と新規領域」など、あらゆる領域をまたぐ拡大です。レーザーカッター、3Dプリンター、CNCなどで始まったデジタル技術によるものづくりの変革は、拡大のほんの入り口にすぎません。これからさらに進化するテクノロジーが繋ぎ手となりエンジンとなり、境界をまたいだものづくりの新しい波が生まれ拡大していきます。
デジタルファブリケーション(Fab)。今、この言葉の持つ意味は、「デジタルテクノロジーによるものづくりの改革」にとどまらず、「デジタルテクノロジーが生み出すあらゆるものづくりの意味の変革」を意味するものに進化しています。デザイン・素材技術・生産技術・ビジネスモデル・社会システム・暮らしなど、様々な領域に起こりうる進化をつなぐ統合的思想になろうとしています。
「YouFab Global Creative Awards」は、「デジタルとフィジカルを横断し、結合する創造性=Fab(ファブ)」とし、アワードという枠組みを通じて、デジタルファブリケーションの未来と進化を見据え、世界から出現してくる、未来を変える新たな作品やアイデアを見落とすことなく発見していきます。
ーーー
そして、田中浩也さんの審査員長コメントから。
改めて「Fab」とは何だろうか?多様なプロジェクトのあいだの共通性をひとつだけあげれば「デジタル(情報世界)とフィジカル(物理世界)の往復と連携の模索」ではないか。これを「Fab」の(ひとまず現時点での)定義として呼び掛けてみたい、というのが、YouFab2016が始まった時点で私が考えたことだった。
その後、コンテストを通じて、「デジタル(情報世界)とフィジカル(物理世界)の往復と連携」は、「技術」のレベルだけに限らないことがあらためて浮かび上がってきた。たとえば「感性」のレベルで、「デジタル的な軽さと、フィジカル的な重さをどう共存させるか」。「価値」のレベルで、「デジタルによって生まれる"新しさ"と、逆に改めて問い直される"古さ"」をどう掛け算するか。あるいは「思想」のレベルで、「デジタルによってうまれるグローバルなデータフローと、フィジカルがもつローカルの地理的な制約」をどこで止揚させるか。そういった、真逆/対極にあるモノゴトを、何かを「つくる」ことによって「つなげて」いきたいという想いにあふれていたのである。
こうした、「つくること」と「問うこと(問い直すこと)」が合体した、「模索、実験、試行錯誤」の日常化こそが「Fab」の真骨頂であり、そして理想である。われわれは、つくることで問うことができるようになり、そして、机上で問うのと異なり、「つくる」という実践を行えば、問い自体を問い直し、スピンアウトさせ、他者との関係を構築することもできる。その意味で、Fabは、「Manufacturing (製造)」とは異なる、「つくることの価値」の再検討を表す概念である。そして、Fabでつくられるものはやはり、その製作者の「分身」なのではないかと思われる。
YouFab2016では、「カテゴリー」ごとの募集をやめたことから、Fabの現在形がより鮮明に表れる結果となったように思う。Fabはまだまだ終わらない。むしろ「3Dプリンタやレーザーカッター=Fab」から卒業できたことが、今年の最大の成果であっただろう。さて、次にどこにいけるだろうか。
ーーー
受賞作には、なぜこれがFab Awardの受賞作?というものもあるかもしれません。それを皆さんの目で、確かめにきてください。19日までやっています。

http://www.youfab.info/2016/index.html